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鎮静剤の使用が不安な患者様へ


鎮静剤を使用する理由は主に二つあります。

一つ目は検査の敷居を下げたいからです。
胃カメラ検査、大腸カメラ検査は個人差が大きいものの苦痛を伴うことがあります。だからといって検査を受けずにいると病気の早期発見のチャンスを逃すことになってしまいます。鎮静剤を使用してほぼ苦痛を感じることなく眠っている間に検査を受けていただくことで検査を嫌いにならないで欲しいのです。

二つ目は病気を見逃さないためです。
微妙な早期がんの所見を見落とさないためには検査中に患者様が安静でいられることは大事なことです。
ひとつの例をあげますと、
特殊光検査と拡大観察により以前よりも早期食道がんが多く発見されていますが、粘膜表層の毛細血管を拡大して血管の形状を観察して診断しています。
検査中に「おえ、おえ」してしまうとピントがずれてしまいます。
当院は「日本内視鏡学会」の「内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン」で推奨されている安全性の高い鎮静剤を使用しています。

鎮静剤の効果には個人差があるので、偶発症の予防を目的に苦痛を取り除くために必要な最低限の使用量に努めています。ですから患者様によっては非常にまれですが効果が弱く多少の苦痛をともなうこともあります。もちろんその場合は検査中に鎮静剤を追加投与して対応します。効果の具合を記録していますので次回また当院で検査を受けていただければ検査開始の時点で適正な量の鎮静剤を使用できます。
逆に効果が強すぎたらどうなるか? これが鎮静剤が怖いと思われる理由のひとつなのかもしれません。
効果が強すぎると、呼吸・循環抑制(呼吸困難、不整脈、低血圧などの症状)が起こることがあります。しかし、鎮静剤投与に関連する併発症の発生頻度は0.0013%(8万人に1人)とされていてかなり低い確率となっています。
その確率をさらに下げるために当クリニックが準備していることを挙げると、
、 鎮静剤の使用量は患者様ごとに調節しています。
、 検査中は呼吸・循環をチェックする機器を装着させていただきます。
、 鎮静剤の作用を中和する点滴をすぐに使用できる状態で準備しています。
、 救急蘇生処置が可能な機材・薬剤を内視鏡室に備えてあります。

例えば呼吸を確保する道具のひとつである喉頭鏡についてはビデオモニター付きの高価なものを常備し万全を期しています。総合病院の手術室や2次3次救急室に備えてある器機でありクリニックに常備しているのは当院以外は知りません。

これまで鎮静剤による偶発症を経験したことはありませんが、院長は全身麻酔経験が豊富であり、総合病院・大学病院の2次3次救急の勤務経験もあり、知識・手技・器材の準備など万一の事態における呼吸循環の確保に万全を期しています。

よりよい検査のために安心して鎮静剤の点滴を受けていただければ、と思います。

もちろん、鎮静剤を使用しない胃カメラ検査、大腸カメラ検査も当院では可能です。
詳しくは胃カメラ検査大腸カメラ検査のページをご覧ください。